母校支援

TDUが日本の技術革新の一翼を担うには

技術革新(イノベーション)の重要性が顕在化

「本当に日本は貧しくなっているのか?」と思う方が多いと思うのですが、確かに1991年バブル崩壊以降日本の一人当たりGDPは停滞しており、今現在の続いているのは間違いないようです。

大阪大学社会経済学研究所:堀井教授
https://www.asahi.com/sdgs/article/15170786#h165slsqvv5c8174q7n21y6cv2r1amsgpq

「では日本が経済成長しない理由は?」との疑問に対して、様々な視点からいろいろな意見もありますが、大きくは3つの課題がクローズアップされています。

確かに、最近も「世界の亀山モデル」で一世を風靡したシャープのテレビ向け液晶パネルの生産停止などのニュースもあり、残念に感じていました。


SDGsACTION 経済成長とは(デザイン:増渕舞)より

イノベーション(技術革新)に必要なものとは~起業のスピリッツ~

オーストリアの有名な経済学者シュンペーター(Schumpeter)は、以下のようにイノベーションの例を挙げています。

1. 創造的活動による新製品開発
2. 新生産方法の導入
3. 新マーケットの開拓
4. 新たな資源(の供給源)の獲得
5. 組織の改革

主として1が着目されますが、いずれも重要な要素と言えます。その中でも1と3、4に挑戦し、日本の起業家ランキング2024で第二位に輝いた「スキマ時間を利用してアルバイトが出来るタイミー」の小川社長は、皆さんもご存知ではないでしょうか。

立教大学時代に起業し、コロナ禍で業績が大きく落ち込むも主力の飲食業から物流企業や小売企業を開拓し乗り切り、順調な成長を遂げています。その中で人材不足の市場と隙間時間を有効に活用したい人材のマッチングというアイデアに注目が集まりますが、アプリを駆使して会員とデータ蓄積が強みとなっているのです。

人材ビジネスで多い属人的な営業に依存するビジネスモデルだと成長が二次曲線で上がりにくいのですが、タイミーの場合、利用ユーザの会員やデータが蓄積されていくので、時間の経過とともに事業が強くなり成長がドライブしていく可能性が高いと言われています。

この起業ですが、米国や中国では職業人気第一位ですが、日本では周辺環境が整っていないこともあり今一つとなっています。実際に日本の起業率は諸外国に比して大きく遅れており、科学技術・学術政策研究所がまとめた資料によると、2019年時点の先進各国の開業率はイギリスが13.5%、フランス10.9%、アメリカ9.1%、ドイツ8%、日本4.2%の状態です。

日本での起業が少ない理由としては、最近でこそ大学でも「アントレナーシップ教育」が行われ始めていますが、そのひとつが教育制度の遅れが挙げられています。「伝記や体験談、社会経験のような形で起業家と接点を持たせること」「インターンシップや簿記、金融、マーケティング等の実務的なことを教育するべき」

などの声が上がっています。そして安定雇用を求める意識も指摘される一方で、バックアップする環境、応援環境の少なさも大きな課題とされているのです。

内閣官房:スタートアップに関する基礎資料集(令和4年10月)令和4年4月

近大発ベンチャー企業100社設立、目標より1年10カ月早く達成!

近畿大学では今年5月9日、近大発のベンチャー企業が100社に達したことをニュースリリースしました。教育面では法人登記・開業支援プログラム、新規事業開発プログラム、起業体験プログラム、WEBプログラミング講座から、モチベーションを挙げるビジネスコンテストなど、TDUでも取り入れている各種取り組みがあります。

その他に特筆すべきは、58万人を超える卒業生ネットワークを持つ近大校友会中心に支援の仕組みである、近畿大学発ベンチャー起業支援プログラム『KINCUBA』※の存在です。実践知に富み社会の厳しさを知る卒業生が支援してくれるのであれば起業の壁も低くなることは間違いないのです。

※医学から芸術まで網羅する多様な研究分野や、58万人を超える卒業生ネットワーク、モノづくりのまち東大阪市・八尾市の地域特性、最先端のDX技術など、総合大学としての強みを生かして学生や研究者の起業を支援するため、近畿大学が全学をあげて取り組んでいる起業支援プログラムです。起業をめざすために必要な学びやマッチングのサポート、各分野のメンターによる相談受付、キャンパスを活用した実証実験など、起業マインドの醸成から法人設立・事業展開まで一貫した支援を行っています。なお、「KINCUBA(キンキュバ)」とは、”KINDAI”と”INCUBATION”を組み合わせた造語です。

学校法人近畿大学KINCUBA公式サイト:https://www.kindai.ac.jp/kincuba/
KINCUBAについて:https://www.kindai.ac.jp/kincuba/about/

(左)KINCUBA Basecampでの起業についてのセミナーの様子
(右)インキュベーション施設「KINCUBA Basecamp」に掲示している近畿大学発ベンチャー企業のロゴマーク

TDUにも卒業生のバックアップが欲しい!

TDUも2011年から足立区と協業し創業支援施設「かけはし」を展開し、いち早く起業に着目しています。昨年は「人とロボットが互いに支え合える未来を作る」をビジョンに掲げ、X翼ドローン開発で新聞にも載った卒業生と在校生が創業した㈱FAVIONが、足立区の創業プランコンテストで、モノづくりのための情報共有ECサイト「KATACHI」で奨励賞を受賞するなど実績を挙げています。これらの起業がやがて日本経済をけん引するのも夢ではないと思います。

そして出来れば彼等を応援できる校友会に変貌していきたいと願っています。起業家のTDU卒業生ネットワークであったり、起業を支援する実践知の共有であったり、或いはクラウドファンディングの協力だったり様々な支援が可能ではないかと考えています。宜しければ、皆さんの本記事に対するご意見やアイデアを校友会事務局にこのメルマガに対する返信で構いませんので頂ければ幸いです。

一般社団法人東京電機大学校友会
事務局 稲毛会勢拡張担当