母校支援

技術は人なり。今こそ失われた時を超える

「技術は人なり」の精神で未来を拓く ー成長と変革の2026年へー

東京電機大学校友会会員の皆様、新年あけましておめでとうございます。 健やかに新春をお迎えのこととお慶び申し上げます。 

失われた30年を超えて:いま、日本が目覚める時

2026年、私たちは歴史的な転換点に立っています。バブル崩壊以降、長らく日本経済を覆っていた停滞、いわゆる「失われた30年」から脱却し、国全体が新たな成長戦略へと力強く舵を切り始めました。政府は「新しい資本主義」を掲げ、科学技術・イノベーション立国の再興に向けた投資を加速させています。 デフレマインドからインフレを伴う成長経済へ。コスト削減から付加価値の創造へ。この大きな潮流の中で、母校東京電機大学が果たすべき役割は、かつてないほど重要になっています。資源の乏しいわが国において、唯一にして最大の資源は「人」であり、未来を切り拓く力は「技術」に他ならないからです。

実学尊重:現代社会が求める「知」の在り方

現在、大学を取り巻く環境は激変しています。18歳人口の減少に伴う大学市場の縮小は避けられない事実です。しかし、これを単なる逆風と捉えるべきではありません。むしろ、真に社会に必要とされる大学だけが選ばれ、輝く時代の到来です。

文部科学省も理系人材育成への支援を大幅に拡充しており、社会からの期待は高まる一方です。ここで問われるのが、本学の建学の精神である「実学尊重」です。 TDUにおける「実学」とは、単なる職業訓練や既存技術の習得ではありません。

技術を通して社会の課題を解決し、経済成長を支え、人々の幸福に貢献するという、極めて能動的かつ実践的な理念です。AI、ロボティクス、環境エネルギー、半導体といった分野で技術革新が加速していますが、これらはすべて本学の得意とする領域です。

社会が求めるイノベーションの現場には、常に東京電機大学の卒業生がいる。私たちはその誇りを胸に、日本の再成長のエンジンとなる気概を持たねばなりません。

「技術は人なり」:AI時代にこそ輝く哲学

そして、私たちが決して忘れてはならないのが、丹羽保次郎初代学長が遺した「技術は人なり」という言葉です。 生成AIが急速に普及し、プログラミングや設計の一部さえも自動化される時代が到来しています。技術的なスキルだけでは、もはや差別化が難しい時代と言えるかもしれません。

しかし、だからこそ、「人」の価値が問われるのです。 技術を使いこなし、技術に倫理観と情熱を吹き込み、それを「誰のために、何のために使うか」を判断するのは、常に人間です。 少子高齢化が進む日本において、技術は冷たい効率化の道具であってはなりません。

人手不足を補い、高齢者の生活を支え、人の可能性を拡張する温かいパートナーであるべきです。この「人間中心の技術」の実践こそが、TDUの卒業生が根底に持つDNAであり、これからの社会で最も必要とされる資質なのです。技術の背後にある人格、誠実さ、そして他者への共感。これこそが、AIには代替できない、東京電機大学卒業生の最大の強みであると私は確信しています。

校友会の変革:貢献と還元の好循環へ

こうした時代背景の中で、校友会もまた、変わらなければなりません。これからの校友会は、単に過去を懐かしむだけの親睦団体にとどまってはなりません。

現在、そして未来を見据えた「成長のプラットフォーム」へと進化する必要があります。 私が目指すのは、母校の発展に貢献することを通じて、卒業生自身もまたさらなる進歩を実感できるような、互恵的な関係性の構築です。

母校の研究と教育を支援することは、優秀な後輩たちを育成することに直結します。彼らが社会に出て活躍し、高い評価を得ることは、すなわち「東京電機大学卒」というブランド価値を高めることであり、私たち卒業生自身の社会的信用やビジネスにおける評価の向上にもつながります。

また、校友会独自のネットワークを活用し、技術交流や異業種連携、リカレント教育の場を提供することで、会員一人ひとりのキャリアアップを直接的に支援する仕組みも強化していきたいと思います。

「母校のために」という想いが、巡り巡って「自分のために」なる。この「貢献と還元の好循環」を生み出すことこそが、私の使命であり、変革への意気込みであります。

結びに

激動の時代だからこそ、揺るぎない軸が必要です。私たちには「実学尊重」「技術は人なり」という、100年を超えて受け継がれてきた強靭な軸があります。 校友会役員一同、心を一つにして、母校の発展と会員皆様の進歩のために尽力してまいる所存です。 母校・東京電機大学が、そして私たち校友会が、日本の成長戦略の一翼を担い、新たな世界を切り拓く一年となるよう、会員の皆様の絶大なるご支援とご協力をお願い申し上げます。 皆様のご健勝とご多幸、そして更なるご飛躍を心より祈念し、新年のご挨拶といたします。

2026年1月1日
一般社団法人東京電機大学校友会
理事長 森戸 義美