母校支援

共に進化する機会として

校友の皆様、新年あけましておめでとうございます。

今年が皆様にとって素晴らしい年となることを祈っております。

今年は大きな転換期であること

2022年を振り返ると全てに転換期を示す大きな変革があった年ではなかったでしょうか。この文章の執筆をしている最中、日銀が金融政策としたかたくなに守ってきた金融緩和を縮小し、年の暮れが迫る中、次々と転換期を象徴するニュースが飛び込んでくるのです。

新型コロナウィルス感染症もまだ落ち着かない2月、ロシアがウクライナを侵攻し、国防費の2%予算が成立しました。元総理の暗殺事件が宗教問題に大きく発展する、飛ぶ鳥落とす勢いであったGAFAが大きく失速するなど、予想を超えた出来事が多く、目まぐるしく時間が過ぎたような気がいたします。

一方で、今までなかなか手が付けられなったDX・GXが新聞に掲載されない日はないほど着目され改革が始まっています。NECでは終身雇用廃止傾向も加速して企業におけるジョブ型・実力主義が顕在化する、今まで就業支援として打ち出されていた行政の教育支援が、リスキリングと言葉を変え、能力向上・学び続ける能力が求められるなど、これら環境変化への対応が始まり、身近な職場環境変化も確実に転換期を迎え始めています。

勿論、最近は「生涯現役」という言葉が日常化し、高齢者だからITが出来ませんとは言いにくい時代にもなりつつあるのですから、高齢者はこれから先を生き抜く人たちに何が残せるかを問われる時代に転換してきていると言えるのではないでしょうか。

転換期に大きく注目される技術

過去にはマツダやBMWが基本技術を開発し、お蔵入りしていた水素エンジンをトヨタが本気で水素燃料電池車「MIRAI」を投入。他国の自動車メーカーも着目し始めています。同じくGXがらみでは、設計・施工・管理まで脱炭素、省エネを実現するコミッショニング技術が再着目されています。

そして、宇宙開発分野では、世界で4番目の月面着陸に望むべく、日本発民間ベンチャー企業「ispace」が12月に月面着陸船の打ち上げに成功し、予定通りであれば今年春には日本初の月面着陸が現実のものとなるようです。他にも例を挙げればきりがないくらい、次の発芽が芽生えているのも事実です。


民間ベンチャー企業「ispace」社HP引用

「技術は人なり」は間違いなく時代の脚光を浴びる

2023年は癸卯(みずのとう)の年で、「癸」(注1)と「卯」(注2)の組み合わせから、これまでの努力が実を結び、勢いよく成長し飛躍するような年になると考えられています。

実践的な教育で定評がある東京電機大学の精神ともいえる「技術は人なり」は、卒業生が立証できるものと皆さん同様私も信じております。転換期の現在、東京電機大学校友会の母校支援者としての役割、そしてこの精神で結ばれた絆による結束が、卒業生、在学生、母校をより高みに導くことは疑いようのない事実だと思っております。

そのためにも会の勢いをより拡大していく必要を痛感しており、是非この1年も校友の皆様と共に、会を盛り上げていきたいと思います。当会は皆様と共に更なる高みに進化をお約束して新年のご挨拶とさせていただきます。

(注1)癸の意味
「癸」は雨や露、霧など、静かで温かい大地を潤す恵みの水を表しています。十干の最後にあたる癸は、生命の終わりを意味するとともに、次の新たな生命が成長し始めている状態を意味しています。

(注2)卯の意味
「卯」は穏やかなうさぎの様子から安全、温和の意味があります。また、うさぎのように跳ね上がるという意味があり、卯年は何かを開始するのに縁起がよく、希望があふれ、景気回復、好転するよい年になると言われています。

一般社団法人東京電機大学校友会
理事長 上西 栄太郎