母校支援

OKI、魔改造の夜チームここに降臨!

みなさんはNHKの「魔改造の夜」という番組をご存じでしょうか。子どものおもちゃや家電を改造し記録を出しながら競い合う内容で、毎回様々なテーマで出演企業や学生を悩ませます。それでも、挑戦を通じて自身の腕が試されるチャレンジングな番組です。今回、私が所属する沖電気工業株式会社が「ゴリラちゃん」のぬいぐるみを相手に奮闘し、記録を出すことができました。

本番まで参加メンバーの苦悩は絶えることはありませんでした。しかし、それ以上にチームとして動くとはどういうことなのか、そして、自身が持つ技術はどこまで通用するのかを試す絶好の機会となりました。出演をきっかけにブログの寄稿をご依頼いただいたので、改めて当時の様子を振り返りながら、制作の裏側をご紹介できればと思います。 

OJT期間中に見たメンバー募集。諦めるより挑戦を決意

魔改造プロジェクトの参加は、社内サイトに掲載されていたメンバー募集を見かけた事がきっかけです。以前からよく見ていた番組だったので非常に興味が湧きました。もともと大学の部活動で既製品のおもちゃを改造してIoTデバイスにする「魔改造作品」を作っていたこともあり、自分の経験が活かせる絶好の機会だと思いました。

入社初年度でOJT期間中だったため、参加を断られるかもしれないという不安もありました。しかし、企業が「魔改造の夜」に複数回出場した前例はなく、次の機会はないと思いましたし、結果的に参加できなかったとしても応募せずに諦めるよりは挑戦すべきだと考え、応募する事に決めました。

入社1年目の自分が1か月以上業務を離れるにもかかわらず、快く送り出してくださった職場の指導者と上司には、本当に感謝しています。

「自分の経験が活かせる絶好のプロジェクトと思った」戸澤さん 画像提供:OKI

トラブルの原因究明に提案した監視機能が、検証の効率化に貢献

今回のお題は「ゴリラちゃんターザン幅跳び」。

ゴリラのぬいぐるみを使い、ロープをつかみターザン・ジャンプで飛距離を競うというもの。正直、テーマが発表された瞬間、理解するまでに時間が必要でした(メンバー全員がほぼ同じ感覚だったようでした)。何をどうするのかを整理し、そして目標が掲げられ、いくつかのチームに分かれて製作を進めていくことになりました。

自身の担当はファームウェア開発でした。製作を進める中で苦労したのは、プロジェクトの中盤で起きたマシンが突然停止する事態への対応でした。調査しようにも再現性が無かったため、原因がプログラムにあるのか、回路にあるのかが分かりませんでした。この原因を切り分けるために、私は無線通信によるハートビート(死活監視)機能の実装を提案しました。

マシンはBluetooth接続のコントローラーを使って操作していたため、並行してデータを送るには別の方式で送信する必要がありました。そこで、Wi-Fiベースの無線接続方式を用いてデータ受信専用のマイコンにデータを送信し表示を行う機能を作成しました。

この機能によりマシンの走行時にデータを送り続けることで、プログラムが動き続けているか、誤動作が起きていないかを外側から確認できるようになりました。その後、突然停止する原因は、ゴリラちゃんのぬいぐるみの摩擦による「静電気放電」の過電流が起因で回路が破壊されたことが判明し、本機能は役目を終えるかと思われましたが、最終的にはプログラムの外部表示機能として応用されました。

具体的には、プログラムのテストモードへの切り替えやリリースタイミングなどの設定値変更の内容を受信用マイコンで表示できるようになり、検証の効率化に貢献することができました。

画像提供:OKI

発言のハードルが消える、予想外のアイデアや成果が生まれる

多様なバックグラウンドをもつメンバーとの交流やチーム一体となった活動を経験したことによって、業務でも新しいアイデアや意見を発言しやすくなったことに気付きました。

それまでは新入社員という事もあり、業務の中では自分から新しいアイデアを提案して実践する機会が多くはありませんでした。また、自分よりも知識や経験のある先輩方の前では、未熟さも気になり自分の意見やアイデアを言い出せず引っ込めてしまうこともありました。

しかし「魔改造の夜」は、前例のないテーマに対して様々な経歴や所属、年齢の人が業務の枠を超え、あらゆる知識や経験を総動員してモンスターを作り上げるというプロジェクト。意見やアイデアは出しやすく、それらを実践しやすい環境でした。この経験から、通常業務でも目的やゴールを共有して、メンバーと積極的にコミュニケーションをとれる関係性を構築することで、予想外のアイデアや成果が生まれることを実感するようになりました。

「技術は人なり」リスペクトし合うことで生まれる大きな価値

魔改造プロジェクトには、機械や回路設計、プログラミングといったマシンに直接かかわるエンジニア、裁縫、デザイン、開発環境整備など様々な専門分野の知識を持つ社員が集結しましたが、モノづくりには多くの人々の協力が不可欠であり、それぞれの仕事や持っている技術をリスペクトし、そして尊重し合うことが何より大切だと実感しました。

一人の技術力や専門性で全てを担うのは現実的ではありません。今回のように、答えのない課題に挑むのであればなおさらです。だからこそ「技術は人なり」の精神を忘れずに、背景にある一人ひとりの努力や専門性を敬いながら協力することで、個人を超えた、より大きな価値を作り上げることができるのだと思います。

無駄な経験なんて一つもない。過去の「点」が「線」になる~在学生に向けたメッセージ~

学生の皆さんは今、将来に向けて懸命に学ばれていることと思います。実際に社会に出て感じたのは、「どの知識が、いつ、どこで役に立つかは誰にもわからない」ということです。

私自身、今回のプロジェクトでは、サークルや趣味で親しんでいた電子工作の知識や、興味本位で受講した他学科のハードウェアプログラミングの経験が大きな支えとなりました。

また、現在はサーバーやその上で動く仮想化ソフトウェアを扱う業務に携わっていますが、大学の講義で学んだ事に加えて、パソコンやサーバーを扱うアルバイトの経験を活かすことができています。過去のあらゆる経験が、思いがけない形で自分を助けてくれる。そのことに日々気づかされます。

皆さんも今授業で学んでいることに加え、ぜひ興味の向くまま様々な活動に挑戦して新たな知識を身につけて、広げてみてはいかがでしょうか?そのすべての経験が、いつか皆さんの大きな力になるはずです。

2024年卒
システムデザイン工学研究科
戸澤 孝之

関連リンク

NHK「魔改造の夜」xOKI 限界突破チャレンジ ※製造機の詳細がご覧いただけます。
https://www.oki.com/jp/ad/makaizo/

OKI電気工業株式会社 公式サイト
https://www.oki.com/global/ja/