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連載第3弾! 魔改造。このチームだから到達できた限界突破!

2003年に沖電気工業株式会社(以下、OKI)に入社して以来、グループ会社への出向期間も含め様々な部署で開発やチームマネジメントなどを担いながら経験を重ねてきました。「魔改造の夜」への挑戦するにあたり、これまでの経験が生かされると挑みましたが、開発期間の短さが壁となって、これまでとは異なるスピードが求められました。

「勝ちにこだわる」「限界突破」という会社のスローガンと共に、ある意味、意識改革も迫られた魔改造プロジェクト。今回は本プロジェクトを通じて蘇ったエンジニアの目的、そしてチームビルディングの難しさと達成感という視点で書いていきたいと思います。

直感したチャンス。「守り」からエンジニアの本能「攻め」の挑戦へ

私は普段、国内/海外ATMの制御基板全般の開発に従事しています。安定性や信頼性が求められる製品開発であるため、日々の業務では失敗を避けることを重視し、リスクを取らず、チャレンジを控え着実な開発を行ってきました。

しかし本来、エンジニアは常に自身の持つ技術で新しいことに挑戦したい、アイデアを形にしたいと考えているものです。エンジニア自身が業務を通じてワクワク感を持てなければ、良い製品の開発や品質の向上は難しいのではないかと感じていました。

ちょうどそのタイミングで、社内で「魔改造の夜」への参加者を募集する案内があり、「普段できないような大胆なチャレンジができる絶好のチャンスだ」と直感しました。また、会社として取り組むからこそ「会社の名を背負ってやり抜きたい」「誰もが驚く結果を出したい」と強い思いで参加を決意しました。

画像提供:OKI

映像には映らない試行錯誤。重圧の先で得た喜びはメンバーの成長

「魔改造の夜」で私はリーダーを担当することになり、予想以上に多くのことを経験しました。メンバーそれぞれが高い技術力や個性を持つ一方で、バックグラウンドや考え方に大きな違いがあり、最初は意見の食い違いも見られました。チーム一体となるためには、細やかなコミュニケーションや相互理解を深める環境づくりが不可欠だと感じました。

私はリーダーとして、各自が自由に意見を言える雰囲気づくりに努めました。最初はメンバー全員で集まって「カレー作り対決」。お互いを知るための会話の糸口を作りました。その後、時にはメンバーと1 on 1で個別に話す機会を設け、不安に感じていることや、やりたいアイデアを引き出すよう心掛けました。

また、「魔改造」という前例のない大胆な改造に取り組むプロジェクト特有の難しさも痛感していました。今回のお題は「ゴリラちゃんをターザンのように遠くへ飛ばせ」というもの。一見するとユーモラスですが、その実態は物理的・機構的難題のオンパレードでした。プロジェクト期間は、わずか1ヶ月半。設計から部品調達、加工・組み立て、テスト、改良、制御システム開発。どこを切り取っても通常業務以上の濃度とスピードが求められる、私たちにとってまさに挑戦の連続でした。

前進する度に新たな壁が立ちはだかり、正解のない課題に対して一歩ずつ試行錯誤を重ねる日々が続きます。チーム内で意見が分かれる場面もありましたが、リーダーとしてそれぞれの視点を尊重しつつ、最も勝利に繋がる方法を決断してきました。限られた予算や短いスケジュールの中で目標を達成するプレッシャーは大きく、進捗の遅れや想定外のトラブルに直面した時には、決断の重責とともに孤独や不安を感じることもありました。

しかしそれ以上に、メンバーの成長やチームワークが深まる瞬間を数多く目の当たりにできたことは、私にとって大きな喜びでした。自分自身も、精神的な強さや調整力、相手の意見を受け入れる寛容さを身につけることができたのは大きな収穫です。計画性と現場対応力の両立が求められる中で、各メンバーが最大限に創意工夫と粘り強さを発揮してくれたこと。それは映像では伝わりきらないプロジェクトの真の裏側だったと思います。

プロとして仲間を信じる。多様な個性が主体的に力強く動き出す

まず、私は番組を見る誰もが驚くような記録を出したいという強い思いから、常識を超える20mという高い目標を設定しました。当初、メンバーからは「そんなの無理だよ」と苦笑され、現実的ではないという雰囲気が漂いました。しかし、私が本気でその目標にこだわり、繰り返しその意義を説明し続けたことで、徐々にメンバーの意識にも変化が現れました。

また、普段の業務とは異なる形で、チームワークの大切さを改めて体験することができました。高い目標をチーム全員で共有したことで、自然と各メンバーが主体的に考え、自分にできることを探して積極的に行動してくれるようになったのです。私はリーダーとして、メンバーが最大限の実力を発揮できる環境づくりに努め、コミュニケーションやアイデアの交換を重視しました。

普段は日々の業務に追われる中、新しい挑戦の機会は多くありませんが、今回のプロジェクトでは、幅広い意見や創造的な発想が生まれ、チーム全体の成長に繋がったと感じています。新入社員から中堅社員まで多様なメンバーが集まるチームで、それぞれが自分の強みや経験、情熱をぶつけ合う姿勢が色濃く現れたプロジェクトでした。プロとして仲間を信じ、互いに刺激し合うことの大切さを実感しました。

今後もこの経験を活かし、通常業務においてもチームのパフォーマンスを最大限に発揮できるようマネジメントに努めたいと考えています。

人間の意志の力。チームでしか到達できなかった想像を超えるゴール

私たちは、技術によって「無理」を「できる」に変える喜びや、仲間と共に未知のゴールに挑む醍醐味を、「魔改造の夜」を通じて改めて実感しました。技術は、知識として蓄積されるだけでは本当の価値を生みません。各エンジニアが日々培ってきた経験や発想、そして「勝ちにこだわる」「限界突破」という情熱が掛け合わさったとき、初めて形や成果となって現れるのです。

若い世代の皆さんには、「わからないから」「できそうにないから」と諦めず、自分の得意を磨き、仲間と積極的に知恵と力を結集しながら限界を越える経験をしてほしいと思います。どれだけAIや自動化が進化しても、最後の壁を突破するのは「人」の発想と意志です。異なるスキルや考え方が融合することで、最高のチームワークが生まれます。

今回の挑戦を通じて強く感じたのは「想像を超えるゴールは、チームでしか到達できない」ということでした。臆することなく挑戦を楽しみ、互いを尊重し、妥協せずに切磋琢磨する。そうした個々の情熱と関わり合いが、日本の技術の未来を形作っていくのだと確信しています。自分自身と仲間を信じて「まずはやってみる」。その実感を、ぜひ若い視点で体現してみてください。それが、技術者として、そして一人の人間としての成長にきっとつながるはずです。

プロジェクトを振り返って

今回の経験を通して、モノづくりの楽しさや素晴らしさを再認識し、エンジニアとしての大きな自信を得ることができました。チームメンバーも同じように感じていると思います。この経験を今後の業務でも是非活かして欲しいですし、「チャレンジすることの大切さ」を各自の周りに広めてくれると期待しています。

また、今回の挑戦を通して、OKIのエンジニアが高い目標に向かい、最後まで諦めずに挑戦し続ける力を持っていることを証明できました。挑戦し続ける企業として、今後も社会に貢献し、革新的な技術開発に努めていきたいと思っています。最後に、本プロジェクトは多くの支援チームとともに取り組むことができました。多大なサポートをいただきました皆様に、心より感謝いたします。

2003年卒
理工学研究科
宮下 和也

関連リンク

■NHK「魔改造の夜」xOKI 限界突破チャレンジ ※製造機の詳細がご覧いただけます。
https://www.oki.com/jp/ad/makaizo/

■OKI電気工業株式会社 公式サイト
https://www.oki.com/global/ja/