【謹賀新年】進化に向けた決意・実行の年
今こそ「技術は人なり」の時代
2025年は団塊の世代が75歳以上となり、国民の5人に1人が後期高齢者となる超高齢化社会となる一方で、18歳人口は2020年から減少し約6割の私立大学が定員割れ、そして名目GDPが5位に転落する中で日本の再生には技術力が問われる「待ったなしの状況」に突入しています。
従来の価値観や経験則では乗り切れず、その一方で対立軸を際立たせるやり方の非効率性も問われ、「イノベーション人材」+「人格の陶冶(実践を通して人間としての正しい生き方を磨き上げていくこと)」がまさに求められているのだと思います。その中でも皆さんはお気づきだと思いますが、今の時代に燦然と輝く母校の教育・研究理念である「技術は人なり」なのです。
私が説明するまでもなく、初代学長であられる丹羽保次郎先生が言われた『私は技術も文学や美術と同じく、やはり人が根幹をなすものであることを申し述べたいのであります。すなわち「技術は人なり」といいうるのです。立派な技術には立派な人を要するのです。よき技術者は人としても立派でなければならないのです。ですから技術者になる前に「人」にならなければなりません。技術者は常に人格の陶冶を必要とするのです。』
まさに、我々卒業生が後輩の鏡となり「技術は人なり」を実践していくことで我々卒業生が輝き続け、そのことが母校に貢献することだと多くの卒業生が胸に刻んでいかれる一年にしたいと思っています。
母校の進化と応援団
昨年母校は「輝き続けるTDU:TDU Vision2028」を発表しました。2024年は、その初年度として5月にGXを牽引する「千住キャンパス(国交省2009年住宅・建築物省CO₂推進モデル事業採択)」は弛まぬ進化を評価され空気調和・衛生工学会「特別賞10年賞」を受賞したのを皮切りに、情報セキュリティーで一歩前を行く証ともいえる日本の大学として初となるFIRST(https://www.first.org/)に加盟します。
更に11月には経済成長に欠かせないと言われる起業にも積極的に取り組み、東京都の令和6年度「大学発スタートアップ創出支援事業」に採択される一方、12月には産総研と共同研究によって量子コンピューターの安定動作を実現する基本素子の製造技術開発に必須とされるシリコン量子ビット素子の特性が長い周期で変化する主な原因を特定するなど画期的な研究成果を発表しています。
今後、2025年問題の一つに取り上げられるDX進化の成否、異常気象で一気にクローズアップされるGX、日本の浮沈を握る半導体事業に代表されるSociety5.0社会への対応が理系大学に求められる中、大変な奮闘を続けています。
この先、いち早くラジオ放送を行い、日本初のTV公開実験の場所となり、秋葉原の電気街の育ての親と言われた東京電機大学が、さらに輝き続けるには、我が校友会が会目的を果たす力を備え、TDUを愛する母校最大の支持者集団へと変革することが必須だと思っています。その大きな一歩を今年は歩みだす決意です。
2025年校友会変革の年へ
今や「変革なきところに成長なし」について異論はないと思います。室町時代から続く京都の老舗で、明治天皇の東京遷都にお供したことで有名な羊羹・和菓子の虎屋でも、果敢に伝統の味を変えることにチャレンジするだけでなく、提案型カフェや地域密着型店舗に至るまで弛まぬ改革を続けています。伝統を守る為にも改革は必要なのです。
当会についても改革は重要です。現在はまだまだ「気の合った仲間が集う親睦団体」と思われていることを否定できません。コロナ禍を機に4年前よりTDUの卒業生らしく、校友の皆様へのITコミュニケーション基盤を構築してまいりましたが、まだ多くの校友が参画頂ける魅力ある校友会への道は始まったばかりです。
昨年、当会で決めた事業活動ビジョンでは、「『技術は人なり』の志の下、常に進化を止めず誰にも負けない母校愛を胸に秘め、魅力ある人々が集まる卒業生の集団をめざす」「卒業生の絆と活躍、母校・在校生への貢献、それら活動全ての歩みを止めず、持続可能な循環を実現し社会へ還元することをめざす」の二つ掲げています。
参画した校友が自らの成長を実感できる、母校、在校生、校友に貢献することで人格の陶冶が磨かれることに満たされる集団への変革に向け、ボランティア精神を発揮していくことを誓い、新年のご挨拶とさせて頂きます。
是非、ご一緒に凄い「技術は人なりを実践する集団」づくりにご協力、ご支援の程お願い申し上げます。
2025年1月1日
一般社団法人東京電機大学校友会
理事長 森戸 義美