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「停留精巣」において精子が形成されない原因は温度のみであることが判明

東京電機大学・刀祢 重信 特別専任教授らの研究成果
「停留精巣」において精子が形成されない原因は温度のみであることが判明
~「Histochemistry and Cell Biology」に採択(2022年1月)~

東京電機大学(学長 射場本 忠彦)の刀祢 重信 特別専任教授(現 本学研究員、分子発生生物学研究室(研究当時))の研究グループは、精巣が腹腔内にとどまってしまう「停留精巣」において、精子が形成されない原因が温度のみであることを明らかにしました。

人間をはじめとする哺乳類(象とクジラを除く)の精巣は、生まれる前に陰嚢内に下降し、空冷式に冷やすことで精子が正常に形成されます。ところが、新生児の数%は精巣が腹腔内にとどまってしまう「停留精巣」という病気にかかります。停留精巣になると精子が形成されないため、男性不妊の原因の一つとなるほか、精巣腫瘍の発症リスクが高くなります。

この停留精巣については、これまで多数の研究がされてきましたが、精子が形成されない決定的な原因は不明でした。同研究グループは、温度を変えて試験管内でマウスの精巣を培養することにより、腹腔内と同等の37℃では精子ができず、34℃にするだけで精子ができることが判明。このことから、停留精巣により精子が形成されない決定因子は温度のみであることを突き止めました。

なお、本研究成果は2022年1月、「Histochemistry and Cell Biology」(Springer& Nature Publishing 社)に採択されています。

研究概要はこちらからご覧いただけます。(東京電機大学の公式サイトに移動します)

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