母校支援

【後編】電大OG4人組で奮闘中!後輩リケジョを救え!

(前編を振り返って)

前回、卒業後、それぞれの道に進んでいた電大OGの4人が再会し、定期的に集まるようになり、さらに、女性ならではの気楽な会話や情報交換ができる『OGが集まれる場所』を作る活動を始めるまでのストーリーを紹介していただきました。今回は、そのストーリーの第二弾として、そこから発展して、Facebookに『電大OG会』ページを立ち上げるまでの活動について、紹介します。

【前編】電大OG4人組で奮闘中!後輩リケジョを救え!

電大OGメンバーの紹介はこちら

作戦会議はコーヒーショップの会議室で始まった

まずは、千載一遇のチャンスを逃さないために、初めて会う学校関係者に話を聞いてもらうための作戦を練ることになりました。そこで、東京駅八重洲口にあるコーヒーショップの会議室に、4人が集合。お店の一角をパーティションで区切った会議スペースに、10人は座れる大きなテーブルがあり、それぞれ持ち寄った学校案内や書籍を積み上げ、雰囲気はバッチリ。

各自調べたことや思ったことをワイワイガヤガヤ喋りながら、自己紹介の順番や内容を決め、何から話せば理解してもらえるかをノートに整理しました。自発的に役割分担したり、的確なタイミングで気配りをしてくれたり、一人一人がそれぞれの場所で様々な議論をリードしていることが伺える会議となりました。

メールでは遅くて面倒という理由で、その場でLINEのグループを作り、セキュリティが心配で渋る私も強制的に加入です。話が大分進んだところで、持ち込んだノートパソコンからTwitterのアカウントを作成しそのまま公開へ!まさに、『電大OG会』がSNSデビューした瞬間でした。


イメージ

母校と卒業生を結ぶ見えない糸に導かれて

オープンキャンパスの日、私たち4人は2号館の受付に向かい、「こんにちは、父母ではありませんが、私たち卒業生です。どこにご相談したらいいのか分からないので、こちらに伺いました。少しお話を聞いていただけませんか。」と勇気を振り絞って伝えました。

すると、偶然通りがかった古谷涼秋教授が、卒業生の方ならと4階まで案内してくださり、相談会を開いていた学生支援センターの池内洋子さんを紹介してくださいました。池内さんは初対面にもかかわらず、私たちの話に興味を持ってくださり、簡単な自己紹介の後、私たちと同い年であることがわかり、一瞬にして緊張がほぐれました。

私たちがOG会を立ち上げるに至った思いを一通り話したところ、11月に女子学生向けの就活セミナーがあるので、セミナー後の交流会で皆さんの経験や思いを話していただけませんか、と逆に提案してくださったのです。願ってもないお話でしたので、即決で参加を決めました。思いがけない展開となりましたが、母校と卒業生を結ぶ見えない糸を強く感じた1日となりました。

念願の女子在校生との交流が実現

交流会当日の会場は教室ということもあり、話しやすい雰囲気を作るために、私たちは『OGカフェ』と名付け、100円ショップで購入した材料で看板を作り、会場に飾り付けを施しながら、お気に入りのハーブティーや若者が喜びそうなお菓子を用意するなど、おもてなしの準備です。

時間になると、学部生6人と修士生2人が教室に現れましたが、親世代のOGを前に緊張気味な様子。緊張をほぐそうと、まずはカフェコーナーで少し和んでから、席についてもらいました。

交流会が始まり、池内さんのご挨拶をスタートに、各OGが卒業後の経歴を交えて自己紹介し、参加者全員に自己紹介してもらいました。いろんな学科に女子学生が増えているものの、同級生がいない学科もあるようで、昔と変わっていない印象を受けました。

ざっくばらんな質疑応答が始まり、「育休制度があっても技術職が現場に復帰できるのか」「子供ができて残業できなくなったらチームにいられなくなるのではないか」といった具体的な質問が続きました。ふと気づいたのは、技術職で働く女性のイメージが掴みにくいのかなということです。

言葉を選んでやりとりする歯痒さもありましたが、同じ学校で学んだ「同士」だからこそ、言葉の奥にある本音が伝わってくるような気がしました。あっという間に終了時間が来て解散となりましたが、教室を出る瞬間まで個別の質問は続き、将来の一助になったかなと思いながら教室を後にしました。

いよいよ次のステップ『電大OG会』のFacebookページ開設へ

交流会の余韻が冷めないうちに、私たちがイメージした『OGが集う場所』の実現のために必要なことを書き出してみました。次のステップに進むためには、まず仲間を集める必要がありました。時間と予算が限られている中で、私たちは自分たちの思いや活動を発信し、賛同してくれる人たちと繋がることが必要でした。

そこで、検討した結果、Facebookページを作成することになりました。私以外の3人は個人でFacebookやInstagramのアカウントを持っていましたが、団体のアカウントを共同管理する都合で私も登録することになりました。

2016年の年明け早々に私たちは集まり、あれこれ言いながらプロフィールを編集し、メンバーの作品からカバー写真を選びました。そして、ようやく『電大OG会』のページが完成したのです。公開前に、家族や友人に頼んでアクセスできるかどうか確認してもらい、設定を調整し、運用ルールを決めました。

その後、日時指定で初投稿をしたところ、家族や友人から次々に「いいね!」が入り、フォロワーが広がっていくのを目の当たりにしました。

たまに近況を投稿する程度でしたが、少しずつフォロワーが増えてくる様子をみては、継続性の大切さを実感しました。2020年の外出自粛期間中には、研究室仲間とのオンライン同窓会が、そして、2021年にはオンラインホームカミングデーで知り合った南波留さんとオンラインOG会を開きました。直接会えなくても、新しい体験を楽しんでいる笑顔の写真が投稿できました。

2022年には校友会の平野さんからFacebookにメッセージが届き、2023年には校友会が主催する真面目な雑談会に参加させていただくことに。そのご縁で、今回のブログ執筆に繋がっています。

Facebook で『電大OG会』のページを開いた2016年当時は企業のSNS活用が今ほど当たり前ではありませんでした。私自身が共同管理や運用について学ぶことができたのはメンバー達が引っ張ってくれたおかげです。

一緒に活動する50代のメンバーたちはICTに強いという共通点がありました。電大でコンピュータやサイエンスを学んだとはいえ、技術の仕事を離れても好奇心を失わず、日々進化していくテクノロジーを生活や仕事に上手に取り入れてきたからだと容易に推察できます。

私たちの30代や40代が、在宅やオンラインを使い仕事ができるような世の中だったら、再就職の選択肢も違っていたかもしれません。しかし、どんな選択をしたとしても、ICTに強いところは変わらなかったことでしょう。

伝説の場所『OGカフェ』へようこそ

そんな私たちがイメージする『OGが集う場所』とは、どこにいても少数派になりがちな後輩たちが人生の分岐点に立った時に、気軽に雑談できる相手を見つけられる場所です。年に一度どこからともなくカフェコーナーが現れ、自分の話を聞いてくれる先輩がいる伝説の場所を作りたいと思っています。

いつかどこかで『OGカフェ』と書かれた看板を見かけたら、そこが伝説の場所の入り口です。私たちは「全ての卒業生がロールモデル」を合言葉に掲げていますので、通りがかりの卒業生の皆さん、同級生や知り合いがいなくても遠慮せずにお茶でも飲んで行ってください。よかったら、悩める後輩の話を聞いてあげてください。そんな未来を実現するまで残り2ステップ…

1983年卒業
工学部応用理化学科
竹川 一枝

電大OGメンバー
石井 悦子(旧姓 高橋)
長尾 桂子(旧姓 吉田)
宮崎 恵子(旧姓 倉井)

電大OGメンバーの紹介はこちら